BPS税理士法人の起業支援

業績管理

企業経営において、戦略的な意思決定を行うためには、経営状況を的確に把握しなければなりません。
その為には、必要な項目、事項(損益、収益性等)を把握しておく必要があります。制度会計上作成される全社合計数値での財務諸表や試算表では、税務申告上、支障をきたすものではありませんが、企業の成長のための戦略的な意思決定を行う上では、限界が生じてきます。
業績管理するためには、自由な発想で自社の営業活動の採算性を見ていかなければなりません。つまり、何が自社の収益に貢献していて、何が損失を出しているのかがわからなければ、業績向上のための戦略が策定できないことは明白です。
業績管理は、企業が毎期黒字化を目指すためには必須の条件となります。

業績管理を行う主な目的は次の通りです。

  • 業績の動向を掴み、直ちにその対応策をとるため(緊急性、重要性の判断)
  • 予算実績対比(目標対比)で未達成原因を究明し、対策を採るため
  • 前期同月との業績比較を行い、会社の業績の推移を把握するため
  • 現状を分析し、自社の強みの進展、弱みの改善を図るため
  • 全社員の利益意識、または原価意識を高めるため

業績管理の効果

月次決算を中心として、それに関連した部門別(店舗、支店、工場、現場別)目標管理などによる社員参加型の積極的な姿勢など業績管理が生み出す効果は次の通りです。

  • 月別及び累計値の部門別損益と全社損益が把握できる
  • 部門別に売上高、限界利益、営業利益などの達成状況を把握できる
  • 部門別の月次損益を公開することにより社員の利益意識、原価意識が高まる
     (社員に公開するかは、あくまで経営者の判断に基づきます。)
  • 目標達成のため全員が積極的に創意工夫するようになり成果が大きくなる
  • 間接部門を含めて、全社的に組織の活性化が促進される
  • 各部門で独立して利益管理を行うことが可能になる

業績管理を行っていくに当たり主要なポイントは、次の4点になります。

リアルタイムに業績を把握
業績管理帳票が作成され、仮にいくらその帳票が非常に精度が高くともタイムリーな情報ではなく、過去の資料であっては大きな価値を見出すことが出来ません。
よりタイムリーな情報をリアルタイムに知る事が重要です。
細かい数字の変動を気にするよりはスピードが重要となります。
上場企業においても業績資料の作成はより一層の速さを求められていることから、微小の修正事項については翌月の修正事項として処理していることも実情です。
現状を認識
業績を把握する事が出来たのであれば、その資料を用いて現状認識を行います。具体的には予算実績対比、昨年対比等です。予算の進捗状況、対目標比を検証、比較することにより、現状を認識します。
対策を講じる
次のステップとして、目標又は予算とのギャップが見えてきます。その時点でギャップが無く、予定通りに進捗しているのであれば現状の維持に注力させるべきですが、目標や予算とのギャップが乖離すればするほど、より明確な対策を打たなければその差を埋めることや解決することは出来ないことになります。さらに現状を把握した段階でよりスピーディに対策を検討すれば、より機会損失、逸失利益を防ぐことにも繋がります。
改善に向けて管理する
最後にどれだけ的確な対策を講じようともその対策を実行に移し、完遂しなければ目標達成は困難です。要は対策というプロジェクトを残された期間において管理することにより、当初の目標及び予算を達成することです。ここにいう「管理」とは、紆余曲折があろうとも、中途に対策を講じ、最終的に目標及び予算を達成してこそ、初めて「管理」と云えるものになります。PDCAサイクルの運用により、業績管理による効果を改善に向けて注力することが「管理」の目的、必要性になります。

中小企業においては、税務上の申告処理に関する経理処理に留まり、業績管理としての経理処理はなされていないことが多々見られます。つまりは「月次での管理帳票としての活用(業績検討資料としての運用)としては作成されていない」のが現状になります。
弊法人では、サービスの内容を企業の成長ステージごとにニーズに合わせて柔軟に変更しておりますので、業績管理の方法についてご検討されている企業様に対して、弊法人との綿密な打ち合わせにより、御社にとっての最善な業績管理体制の構築に向けたご提案をさせていただきます。